リー・アンクリッチ『リメンバー・ミー』


死者、音楽、記憶といった1つ1つがかなりヤバイモチーフの繋げ方、取り扱い方の、針の穴通すような正確なコントロールっぷり。そして、「行きて帰りし」物語、無鉄砲で未熟だけど信念のある主人公、旅を経てなされる成長、ってつくづくピクサーの凄まじさを感じた。
祭壇、祀ること、銅像と写真とビデオとレコードとフィルムといった人間の外部に形作られ残るものと内部に収められるものとしての記憶(引き出しの中の写真と手紙)のモチーフの扱い方もまた良いのだった。
3分の1から3分の2にかけて、このあと起こることがある程度わかってしまうんだけど、それが些かも障害にならず、むしろその「到来」を待ち望んでる自分がいるわけで、それと凡百の作品との違いはなんなんだろうなーと考えてた。