アンナ・ボーデン、ライアン・フレック『キャプテン・マーベル』

予告を見て、倒れても何度でも立ち上がる主人公の画のつなぎに泣き、まさにこれは「なんでもできる!なんでもなれる!」じゃん、と思っていたら、本編もその通りだった。

電車を使った格闘シーンとカーアクション、のあまりのもったりさに不安になったが、その後の、異星人と地球人とジェット機が、アメリカの片田舎の夜の風景に収まってしまうという、今自分が何を見せられているのか混乱してしまうようなシーンに惹きつけられ、前提なしの超理屈による現象の乱れ打ちによるバトルシーンで猛烈に感動してしまった。さらに現代の映画で、イイ面構えの女vsイイ面構えの女のドッグファイトが見れる喜びも。

逆に言えば、唐突さ、違和感をそのままにしている、という風にも言えるけれど。それがそもそも良いことかどうか、という視点は確かにあるし、そこで、ジャンル(とそれに伴う表現手法)への意識の有無、時代背景への理解の有無が試されているともいえるかなと思うけれど。

そして、『アクアマン』同様、『ジャスティス・リーグ』"以降"で作られた映画であることは間違いなく、かつ、本作もまた、あからさまにサイヤ人の物語という。飛行能力を得て、それに付随して起こる”全能”化が、キャロルという女性のパーソナリティーにも関わっているのもきちんとしていて好感を持った。