「和田誠展」(東京オペラシティ アートギャラリー)

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和田誠自体が好きな人は当然行くとして、コマーシャルグラフィックが好き、装丁が好き、映画が好き、ミーハーでテレビ好き、…にどれか一つでも当てはまる人は見に行ったら脳の神経細胞バチバチに繋がりまくる快感が味わえる。と同時にむちゃくちゃな仕事量、仕事の幅に当てられて疲れ果ててしまった。
この膨大な量を辿るだけでも、例えば似顔絵だったら戦後日本の芸能史ができてしまったりなど、ある種の文化史ができあがってしまうという素晴らしさ。
そして、たとえば資生堂CMや、フジテレビのゴールデン洋画劇場のオープニングなど、こういうセンスを持った、決定権がある人が昔はいたんだな、と思わずにいられない。今はキモい趣味のオタクしかいないもんね(暴論)。
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教養があって、センスがあって、手のはやさに裏打ちされた仕事量があって、ある程度裕福であり、対象とするモチーフやパロディ元との距離感が絶妙である、ということを一言であらわすとしたら何になるだろう。まぁセンスがいいってことになるかもしれませんが。アンチスノッブ、みたいな。だけどある種の俗物さもあるからな。もちろん良い意味でなんですけど(ミーハーな感じとか)。
決めつけの感が否めないのは承知の上だけど、要するに都会的である、ということかもしれない。都市じゃないと生まれえない質があるという感じがした。
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