見た映画。


スコット・ワウニード・フォー・スピード

エンジンの駆動音、排気音、車体の震える音、が、心臓の鼓動と重なる。
青い瞳が見つめ合う。
ドミニク・クーパーが主役じゃないんだ!?とか(ブレイキング・バッド見てないもので)ピートの髪型1Dにいる人っぽいとかイモージェン・プーツも最高だけどピートの姉役のダコタ・ジョンソンの薄幸っぷり悪くないとかマイケル・キートン!!(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ『バードマン』もやばそうだし『ロボコップ』もあったしキてるな)とか思った。


中田秀夫『MONSTERZ モンスターズ』

冒頭、母親と小さな息子が歩くカットで、まったく期待させない(『クローズEXPLODE』思い出させる)んだけど、部屋に入ってからの照明にやばさを感じ、AKIRAでおっとなり、父親役の三浦誠己が姿を見せる時なぜかまず最初に傘の先端がぬっと現れるシーンでうれしくなるが、雨の中を歩いてきた彼がほぼ濡れていないのはどうかと思い、でもその後の雨の中の首捻じ曲げはなかなかだし、木村多江の疲れきった表情はぞくっとする、…といった感じで、悪くなさとだめさがかわるがわるあらわれる。象徴的なのは、足がないのはしっかり見せるくせに終一の治癒能力はあまりはっきり見せない、というところ。前者があるなら後者もあった方がよい気がするけれど。
車追突はワンカット、警察署では必ず銃撃、劇場で飛び降りる人たちの死体はしっかり見せる、最後まで藤原竜也演じる男の名前は見せない(「肝心な」台詞も言わせない)、と大事な点はクリアしているけれど、納得いかない部分もあり(警察の無能さとか…シナリオ上意味不明な点が多すぎるような)、やっぱり日本じゃあここまでなのか、というあきらめの気持ちもあるけど、指向しているものは間違っていないので一概にけなしたくはない。一瞬しか映らないけれど男と母親の昔の写真のクオリティは高い、し、ipadで事件動画を目撃してしまうくだりとか、木村多江の薄気味悪い老け顔、とか、さすが中田秀夫だ。
にしても落合モトキくんと太賀くんをキャスティングしてあの役ってのがすごい。そして竜也の尻VS山田くんのセクシー胸毛の対決も熱い。


ウォーリー・フィスタートランセンデンス

ソファやベッドがあり、キャスター夫妻のかつての住処を「再現」した部屋では、周囲にある巨大な画面に映る大小様々なイメージが、ガラスの壁に囲まれながら見える。
施設内の無数のモニターに映り続けながら、ウィルは妻に語りかける。それはついに、生身の人間を用いることにもなる。
実体を持たない人間の、存在の仕方。遍在っぷりが次第に過剰になる。