2017-01-01から1年間の記事一覧

2017 BEST MOVIE 10

この年齢でかよ、って感じもあるけれど、自分の好みがより明らかになった。嫌いなものもより明確になってしまった。映画が好きな人が作った映画が好き。自覚あればいいんだけど、自覚なく上っ面で表層のものまねしてるのが我慢ならない。だから、ジョーダン…

瀬々敬久『8年越しの花嫁 奇跡の実話』

自分の大大大好きな『ウォーリー』をやられてしまうので泣かずにはいられなかった。 序盤に土屋太鳳が佐藤健の目の前から2度姿を消して、2度とも彼の前に「戻ってくる」シーンがあり、それらを見た瞬間、この後に起こる出来事の予告に違いない。(「戻ってく…

2017 BEST ALBUM 10 + α

アルバム通して良く(繰り返し何度も)聴いたもの、という単純なジャッジを適用すると、本当に(自分にとって)聴きやすいものが残ったという感じ。10.HYUKOH『23』23アーティスト: HYUKOH出版社/メーカー: トイズファクトリー発売日: 2017/06/07メディア: C…

ライアン・ジョンソン『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

おじさんは、若いもんが必死になって頑張ったり、タイマン張ったりしてるのを見て感動したよ。しかしドーナル・グリーソンとアダム・ドライバーが出る映画ってどういうクセの強さだよ、とはなるな。 スターウォーズで出来るギリギリの線を攻めまくった感じ。…

ケネス・ブラナー『オリエント急行殺人事件』

列車というモチーフも、演じることの二重化も、映画というメディウムには分かち難く結びついてるので"Murder on the Orient Express"は何度も映画化されてよい(そして同じ物語を何度も繰り返すということ自体もそうだ)。 原作の記憶も曖昧だけど、おそらく…

ジョーダン・ピール『ゲット・アウト』

歯食いしばりながら全身に力入れて見たので終わったらめっちゃ身体が強張ってた。 子供の頃見た、下ネタや自虐やバイオレンスなギャグ(すぐ人が死んだりする)ばっかりの、いわゆる黒人しか出てこないアメリカのコメディドラマを思い出した。全然内容は違う…

買った本

森元斎『アナキズム入門』 『身ぶりとしての抵抗 鶴見俊輔コレクション2』 金井美恵子『愉しみはTVの彼方に』 トッド・マガウアン『クリストファー・ノーランの嘘 思想で読む映画論』アナキズム入門 (ちくま新書1245)作者: 森元斎出版社/メーカー: 筑摩書房…

ザック・スナイダー『ジャスティス・リーグ』

100点です。そう言えることがなによりもうれしい。 新メンバーの説明も、安易なエモで固めて強制的に観客の脳内に彼らのキャラクターを注入する、という感じで、意外とすぐ馴染んだ(BvSがあれだけ長くて「足りない」と思ったのと比べて)。 だから勇気を持…

スティーブン・ソダーバーグ『ローガン・ラッキー』

最高の映画。今年はこれと『パターソン』だけでいいネ(アダム・ドライバー"戦地帰り"二部作!)。チャニングはアメリカのアニキ、アダムはアメリカの弟……という意味でも(?)本作は「兄弟(兄妹)映画」です(3人兄弟/兄妹が2組登場するというおかしさ!…

マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ『ジグソウ:ソウ・レガシー』

冒頭の逃亡劇の編集やカメラの動かし方がすでに良くて、というか作品の性質上、そういう良さを表出できるのはこの冒頭のくだりしかない。あとは、ファーストカットの巻かれたスパイクベルトと最初の死体が発見される公園での自転車に巻かれたチェーンとか、…

黒沢清『予兆 散歩する侵略者 劇場版』

東出くんと染谷くん見てたらますますこの2人の奇妙なバディ物見たくなって仕方がなくなった。あと、劇中で最初に見る、東出くんが概念を奪うシーンで、髪の毛がピョコンと立つんだけど、あれは偶然?(その後の奪うシーンをチェックしなかったからなんとも言…

買った本

蓮實重彦『ハリウッド映画史講義: 翳りの歴史のために』ハリウッド映画史講義: 翳りの歴史のために (ちくま学芸文庫)作者: 蓮實重彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/11/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (7件) を見る

アンディ・ムスキエティ『IT/イット “ それ”が見えたら、終わり。』

今年最高のサマームービーだった。もう冬だけど。誰かが言及してた今作の恐怖演出の"下品さ"、の意味わかるけどそれはそういう風に作ってるからということだと思う。お化け屋敷のようなあからさまさ、抑制のなさ。そして、この映画見た人100人中100人が同じ…

タイカ・ワイティティ『マイティ・ソー バトルロイヤル』

ガーディアンズ2、ホムカミとコンセプトやモチーフがしっかりととらえられ構成された作品が続いて、じゃあ今作は…と考えた時パッと思いつかないほど、"ふざけ"でできた映画。ダジャレみたいな(「みたいな」じゃないな、ダジャレそのもの)センスでつけられ…

ナチョ・ビガロンド『シンクロナイズドモンスター』

出鱈目で、虚無的に異常、いかれてて、この世のものとは思えない、人間じゃない、死者でも幽霊でも神でも宇宙人でもない、まったくカテゴライズ不能な何者かによって「見られる」ことで作られた映画であるところの『ブラック・ハッカー』の監督最新作として…

ドゥニ・ヴィルヌーヴ『ブレードランナー 2049』

ヴィルヌーヴは、リドリー・スコットがなぜ『ブレードランナー』を撮ったか考えたことがあるのか?— 庭仕事 (@niwashigoto) 2017年7月17日 明日ブレードランナー見に行く?どうする?くそなげえしなあ— 庭仕事 (@niwashigoto) 2017年10月26日 なにが悲しくて…

ダグ・リーマン『バリー・シール/アメリカをはめた男』

ドーナル・グリーソン、ジェシー・プレモンス、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの80年代生まれ癖強い俳優3人が揃い踏みしてて目を疑った。なんつーキャスティングだ。 しかしここまで主演俳優、ましてやトム・クルーズがきちんと撮られないとは。例えばバ…

北野武『アウトレイジ 最終章』

何を見たんだろうか…なんて言っていいかわからない。というか、何を言っていいのかわからない。何も言ってはいけない、とすら思う。 それ以前に、この映画は見ていいものなのか?という思いがある。ここに出てくる俳優たちはカットがかかったら死んでしまう…

マット・リーヴス『猿の惑星:聖戦記』

最近ほんとに涙腺がおかしいので、カメラが中空からゆっくり動いて戦闘の様子を捉え、ロケット弾が画の中で黒い煙の軌跡を描き着弾するまできっちり見せるのと、木々越しに馬で走るシーザーの横移動のカットバックがある、冒頭の森のシーンが、見たいものす…

本広克行『亜人』

『亜人』のストーリーとかよく知らんけど予告見ると「この身体はスクリーンで見たい…」ってなってしまう— 庭仕事 (@niwashigoto) 2017年9月18日 これ予告を見た感想ですが、まずこの感情は満たされました。ありがとうございました。 自分はガンマニアでも知…

買った本

エンリーケ・ビラ=マタス『パリに終わりはこない』 長嶋有『もう生まれたくない』パリに終わりはこない作者: エンリーケビラ=マタス,Enrique Vila‐Matas,木村榮一出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2017/08/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件…

リドリー・スコット『エイリアン:コヴェナント』

・作中人物のヘルメット問題、1人はタバコ吸いたいからで外して、もう1人はデヴィッドになんかそそのかされて外す、とかで全然成立しそうで被っててもいいんじゃないかと思うんだけど、多分ビジュアルの問題だけで被らせてないんじゃないか? ただ単に(いや…

黒沢清『散歩する侵略者』

最初、あー手についた血を舐めないでお願い〜って思って、続けて現れる電話での会話シーンの演技のクオリティに溜息ついたけど(にしても、今作の主要キャスト以外の脇役とか、エキストラ、黒沢映画としてはあり得ないクオリティだったな…)、桜井と天野のワ…

クリストファー・ノーラン『ダンケルク』

エンドロール、SPECIAL THANKSに"SIR MICHAEL CAINE"とあった。 戦争映画を見て、戦争映画の体験を身体に刻みつけた子どもによる、その傷を刻んだものを再現しようとした試みのように感じた。様々な要素が断片的なままで、画や音として観客に襲い掛かり、緊…

ジム・ジャームッシュ『パターソン』

めっちゃ最高。これこれ〜って思いながら見てた。ほんと比べたくないけど、これがほんとの(なにが「ほんとの」なんだ?っていう感じですけども)『ベイビー・ドライバー』だよ。 (映画を見るシーンのある映画は良い映画!) 冒頭、ベッドからむくりと起き…

買った本

森茉莉『私の美男子論』 pha『ひきこもらない』 橋本陽介『物語論 基礎と応用』 笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』 笙野頼子『窯変小説集 時ノアゲアシ取リ』 加藤幹郎『映画ジャンル論』 フリッツ・ラング『映画監督に著作権はない』 …

パティ・ジェンキンス『ワンダーウーマン』

またシーアかよ!どんだけ使われてるんすか。 とりあえず、むちゃくちゃ強いロビン・ライトかっこよすぎて最高でした。あと、そこのつながりで、「盾!」からの鐘楼つっこみシーンのあまりにもな破壊力、今思い出しても微笑んでしまう。しかし、見て感想考え…

エドガー・ライト『ベイビー・ドライバー』

劇中、クラシックな装いでオープンカーにもたれかかるヒロインのデボラの姿が、モノクロの映像として挿入される。 この、『ブルース・ブラザーズ』の引用の1シーンは、主人公ベイビーが思い描く理想の象徴であり、妄想だ。過去の映画、過去の音楽に思いを馳…

ジョン・ワッツ『スパイダーマン:ホームカミング』

今までのマーベル作品では、映画内で起こる事件について、「そのトラブルおめーのせいだろ!」と思う、所謂自家中毒状態がだんだん増えていってる感があったけど(主に社長関連で)、今作はそういう展開に対して、一応納得できる形で落とし前つけてる。 では…

マイケル・ベイ『トランスフォーマー/最後の騎士王』

ベイ監督は本作において当初から3D上映を想定。“IMAX 3Dデジタルカメラ”と最新機材の“ALEXA IMAXカメラ”を導入し全体の98%にIMAXカメラを使用、さらに“ALEXA IMAXカメラ”に3D撮影用のリグに2台搭載して撮影するという世界初の試みが行われました。 http://t…