2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

気分転換に『フランドルへの道』を読む。古本で、今初めて傍線が引いてあるのに気付いた。「巴旦杏水」「誘導剤」「辺鄙な」「抑制不可能な爆発」「また食事する時間はといえばそれも容易にわかる―というかむしろ決定される―のだったがそれを決定するのもふ…

深沢七郎『楢山節考』を、「東京のプリンスたち」を読み返したらおもしろくて、他の読んだことないのも読む。おもしろかったので『みちのくの人形たち』を読み始める。おもしろい。いかがわしさ。特に『みちのくの人形たち』の短篇は、風習・俗習のようなも…

ムージル読むのをやめて、クロード・シモン『フランドルへの道』を読み出した。おもしろいというか、あう感じがする。描写の仕方、とかの、甘美さと厳格さの入り混じった感じ?とか。あと、久しぶりに太宰治『津軽』を読み返した。会話のところがいい。特に…

ロベルト・ムージル『愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑』の「愛の完成」を読み始める。読んでるうちに、何を読んでるか、何が語られてるのか、わからなくなってくる。思索の描写がものすごい重層的というか。比喩表現、たとえが多く登場するんだけど、それ…

ヨーゼフ・ロート『果てしなき逃走』を読み終えた。 《客が帰ったあと、兄弟は一つの部屋に二人きりで残った。二人きりというのは、肖像や神々や聖者などを勘定に入れない場合の話である。トゥンダは静かに聴き耳を立てているこうした者たちに慣れていなかっ…

ジャルジャルのネタをすごい見た。シンプソンズって…。アメリカっぽい笑い、アメリカンジョークをモチーフにしたネタというのはあるけど、それがシンプソンズという形で為される。 どのネタもほとんど発展しない?(落語の師匠のやつとか…延々やってる)なんと…

「新潮」に載ってる舞城王太郎の小説を読んだ。物語の劇的な部分を、さらっと書いてしまう。さらっとというか、描写に費やす文章の量が少ない、というか。女の子が、手作り薙刀で襲ってくるところとかが、ほとんど一瞬だった。それにまつわる部分は、さっと…

ヨーゼフ・ロート『果てしなき逃走』を読んでいる。 《しかしソヴィエトという国には、もくろみと術策と多くの老獪さとが入り混った、大規模で広範囲にわたる、混乱した行政組織がどっかり居坐っており、その中にあっては個々人は隣りのより大きな点と結びつ…

直木三十五『日本剣豪列伝』を読んでいる。これを、おもしろい、と思うのは、自分が、時代小説を、ほとんど、読んでいないからなんだろうか。例えば山岡鉄舟とかは、いくつも書かれてそうではある。 柳生宗厳と松田織部之助のエピソード。お互い復讐のしあい…

東京国立博物館の大琳派展を見た。光悦と尾形光琳の風神雷神、光琳と酒井ほういつの鯉に乗る人の絵。両方とも前者の作品をうけて後者の作品が描かれている。風神雷神という型を踏襲する、のと、人間や鯉に(型をうけつつも)よりリアリティを与えようとするこ…

「神さまぁ〜ず」のインスタント女王様を見ると、やっぱ設楽すごいと思う。後の二人、山ちゃんと三村を見るとその差がわかる。この二人は、言わせたいことをやらせるか、コミュニケーションを断絶するかのどっちかしかない(それでも十分面白いけど)。

シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』を買った。 『ライムスター宇多丸のマブ論CLASSICS アイドルソング時評2000-2008』を読んだ。SMAPの分析(普通さ、や、どこにでもいそうなこと…だからこそあのNTTのCMが作られたんだろうと思うけど)。あと、モデル…

森茉莉『私の美男子論』を読んだ。対象となっている人物のしぐさ・素振りが印象的に描かれている…と単純に言ってしまえなくて、その人の着ている服や部屋や持ち物との取り合わせ、食べ物、眼、語り方、持ち物、などの細部がとても丁寧に、というような真面目…

生姜焼きを食べた。しかしこの名前に豚の要素は一つもないから、「豚(肉)の生姜焼き」としたほうがいいんだろうけどでも、牛とか鳥の生姜焼きもあるんだろうか。なんというか、きれい、というか、だだっぴろい定食屋。店員の女の人が、口下手なのか言葉が…

「丸山直文展―後ろの正面」を目黒区美術館で見た。 見ながら色々考えてたんだけど…作家のインタビューと制作風景の映像を見てたらどうでもよくなった。面白くて見入っていた。まず、自分で撮った写真や雑誌に載っていた写真などを、最初の題材として選んで、…

ホフマンスタール『チャンドス卿の手紙 他十篇』を読み終えた。 解説にこういう事が書かれている。《(…)フィクションとノンフィクションのあいだの境界を自在に往還することによってこそ、ホフマンスタールは、自分にそなわってしまっている法外な受容力、…

橋本忍『複眼の映像―私と黒澤明』を読んだ。橋本忍は、『羅生門』の共同脚本でプロの脚本家として歩き始め、その後も『生きる』『七人の侍』にも深く携わり(だからこそ、というか、この三作に関する記述はおもしろい…特に、『羅生門』が芥川の『羅生門』と『…

北里義之『サウンド・アナトミア 高柳昌行の探究と音響の起源』抜き書き。 p21《渋谷ジァンジァンで自主公演されていた定例コンサートのMCで、高柳が「これを『音楽』というのかどうか分かりませんが」と言ったのをよく覚えているが、》 p25《中途半端に過剰…

ホフマンスタール『チャンドス卿の手紙 他十篇』を読んでる。 《過去という洞窟のうちへひとつの瞬間が侵入すると、過去を形づくる暗く硬直した無数の瞬間のうちから、過去の光が、なにひとつ欠けることのない姿でほとばしりでる。かつて存在しなかったもの…

ホフマンスタール『チャンドス卿の手紙 他十篇』を読んでる。例えば、出来事のとらえ方が、ある一点を境にまるで別のものとなってしまう、同じことなのに、ものすごく悪いことのようにとらえられてしまう…つまりこれも、分裂、ということなんだろうか。ドッ…

ホフマンスタール読んでる。しかし、頭をものすごい使っている時、集中するために音楽を聞いているんだけど、どんなものでもだめだ。がちゃがちゃに聞こえて、しかもそっちに意識がもってかれてしまう。ピアノの曲とかいいのかもしれない。金井美恵子の本を…

古谷利裕『世界へと滲み出す脳 感覚の論理、イメージのみる夢』を読み終えた。 で、今はホフマンスタールを読んでる。すごい。