ジョーダン・ピール『ゲット・アウト』


歯食いしばりながら全身に力入れて見たので終わったらめっちゃ身体が強張ってた。
子供の頃見た、下ネタや自虐やバイオレンスなギャグ(すぐ人が死んだりする)ばっかりの、いわゆる黒人しか出てこないアメリカのコメディドラマを思い出した。全然内容は違うんですけど、多分不謹慎さとドメスティックさが通じあってるのでは。
そして、"T・S・motherfuckin' A"の友達のtypicalさに、こんなにイライラするかーってくらいイライラした(でも最後にはキメてくれるんだけど)。そしてそのイライラこそ、"彼ら"が普段味わってるものなのかも…と思ってゾッとした(そしてゾッとする、というのもまたアレだよね…)。多分普段、別の作品で彼が登場してもこんなにイライラしないわけで、それも恐ろしい。
つまりこの作品では、人種にまつわる類型、典型、紋切り型が徹底的に俎上に挙げられて解体され、反転されてる(まるで「中身を入れ替える」かのように!)。リベラルな家庭、に育った、黒人のボーイフレンドを持つ彼女、の典型なんてあるんだ!と無知を思い知らされた。
そして、これは自分も知っていたけど、良いと思えば、褒めれば、相手を認めれば、何でもいいのかよ、って問い。ブラックミュージックとかダンスとか、身体能力のこととかね。すごい不謹慎ではあるんだけど、いわゆる狩猟の理屈の思いだした。いわゆる標的をリスペクトする、的な。

で、不謹慎、紋切り型、意味の反転、そしてトンデモな理屈や科学やそれを見せるセンス、で思い出したのが、『ごっつええ感じ』の「豆」というコントなので、ここに記します。