この年齢でかよ、って感じもあるけれど、自分の好みがより明らかになった。嫌いなものもより明確になってしまった。映画が好きな人が作った映画が好き。自覚あればいいんだけど、自覚なく上っ面で表層のものまねしてるのが我慢ならない。だから、ジョーダン・ヴォート=ロバーツ『キングコング:髑髏島の巨神』はOKです。
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10.ニコラス・ウィンディング・レフン『ネオン・デーモン』
1カットも隙がなく、すべてがある美意識によって統一されてる。だから見ていて飽きることがない。フェティシズムとナルシシズム。
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9.ジェームズ・ガン『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
既存の、定型の、伝統の、ありものの形から離れた、急ごしらえで脆くて儚い、でもだからこそ強く結びついた愛おしい家族の形に泣いた。
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8.ライアン・ジョンソン『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
トンチキな、絶妙なバランスのダサさ、笑えてエモい、ありそうでなかったスター・ウォーズ。しかも、スター・ウォーズという枠組みをなくす思考実験をしてみると、ますますわけわからないおもしろさの映画として成立しそう。
7.ザック・スナイダー『ジャスティス・リーグ』
コミックの映画化として、また新しい形を提示したと思う。作家性でもなく、重厚さでもない何か。お金と手間をかけて作られているのに、なぜかすごいミニマムな作品のように思えてしまう。愛くるしいミニチュア、玩具のようだ。
6.ドゥニ・ヴィルヌーヴ『ブレードランナー 2049』
禁忌の映画。前時代的な、貴族的な価値観に満ちている、という意味でも、現代では禁忌。そのやばさに、絶対否定しないといけないし良くないものだと知りつつ興奮してしまった。
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5.ロバート・ゼメキス『マリアンヌ』
ともかく画がキマリすぎている。最初から最後まで、ストーリーもキャラクターも、映画のマナーにのっとって作られている。
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4.ティム・バートン『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』
信頼のバートンがまたしてもやってくれた、映画による不可能越え。子供たちだけで挑む決死の戦いというのも最高。
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3.スティーブン・ソダーバーグ『ローガン・ラッキー』
あらゆる言葉や行為が多重化するアメリカ映画。「アメリカ」という言葉は一つの意味ではない。
2.ジム・ジャームッシュ『パターソン』
実質1位なんですが。美学に貫かれて作られているものは、開かれていて美しくて面白い。
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1.ジェフ・ニコルズ『ミッドナイト・スペシャル』
本当に素晴らしい、スピルバーグの子供。すべてのシーンが、どこかで見たような、見たことがないような、予感と予兆に満ちている。見返りなど求めない、命すら賭けてしまう愛情が、何の前提も説明もなくいきなり現れてそのままかっとばしていって途方もないありえなさまで到達してしまう、その勢いと力強さに猛烈に感動した。放たれた強い光に、人々は魅了される。光は遠くまで届く。言い続けたいのだけれど、ぜひ映画館で見たい。この作品は暗闇の中スクリーンで見なければいけないと思う。
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今年は何といってもアダム・ドライバーだった。表情の動かし方、大きな身体の奇妙さ、声の響きの独特さで、登場するだけで画面を充実させる。自分にとって、一時期のマット・デイモンに相通ずる信頼があった。
あとは旧作でDVD視聴だけど、ナチョ・ビガロンド『ブラック・ハッカー』のやばさも忘れ難い。あれこそ境界の映画だと思う。というか、境界線を越えてしまっている。
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