パティ・ジェンキンス『ワンダーウーマン』


またシーアかよ!どんだけ使われてるんすか。

とりあえず、むちゃくちゃ強いロビン・ライトかっこよすぎて最高でした。あと、そこのつながりで、「盾!」からの鐘楼つっこみシーンのあまりにもな破壊力、今思い出しても微笑んでしまう。

しかし、見て感想考えようとした時、あまりうまく言葉が出てこなかった。なぜこんなに言い澱むんだろうと考えてて、思ってる以上にキャメロンが言ってたことが自分の中に響いてるんだなと思った(そしてそれに監督がアンサー返したことも)

キャメロンがすげー正しいというわけでもない。パティ・ジェンキンスの言ってることもその通りだと思う。

それでも、ワンダーウーマンがかっこいいのは当たり前だけど、じゃああの"slavely"な"secretary"は?とどうしても思っちゃう。ダイアナだけでいいんですか?神々ががんばってれば、人間(の女性)はどうでもいいんですか?(神の戦いと人間の戦いが連動してるという解釈も、命がけで戦った人間が不憫すぎる)……まあいいんでしょうけどね。

それと、ルーデンドルフとマン博士の男女ペア、というのはなかなか良い設定だと思い、絶対ダイアナとスティーブのペアに対比されるものとして登場したんだろうなと思ったんだけど……っていうね。


とは言いつつも、例えば冒頭、過去回想のナレーションを使った映画の始まり方にはグッときてしまって、でもそれがなぜなのかわからない、と考えてて、もしかしたらそこに「諦念」が宿ってるからか?という説。

例えば今作と並置可能な作品として『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』が挙げられるように、ダイアナとキャップは相通ずる部分があると思う。

キャップが冷凍保存され、いきなり現代に飛んでしまったことでWW?以後のアメリカを体験せずにいれたのと違って、ダイアナは、おそらく本作後、死ぬほど人間の愚かさを実感したはずなわけで、彼女の現代でのとりあえずの生業が、ルーブルで美術品を扱うことだったりするのも、現代社会と人間へのある種の諦めや達観からなのかなと思えたりする。


あとこれ、変則的なタイムスリップ物だよな、と。江戸時代の武士が現代にあらわれる類のやつ。
と考えた時に、人間は今日を救う・ダイアナは世界を救う、というトレバーの発言(めちゃグッときた)も、「今日」という時間が持ち出されてるのでここでの「世界」は人間を超えた(人間には体感し得ない)時間の流れを示してるっぽい。異なる時間の流れを持つ2者が、つかの間ふれあい、それでまた離れていく……。