ライアン・ジョンソン『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

おじさんは、若いもんが必死になって頑張ったり、タイマン張ったりしてるのを見て感動したよ。しかしドーナル・グリーソンとアダム・ドライバーが出る映画ってどういうクセの強さだよ、とはなるな。

スターウォーズで出来るギリギリの線を攻めまくった感じ。誤解を恐れず言うなら、かっこよくキメられるところをあえて(スターウォーズ的に許容できる)ダサい方に振り切って演出し描写してるという印象。このトンチキっぷりを最高と言わなければならないという気持ちになった。
ルークにまつわる一連の描写とか、フォースの描写とか、ライトセーバーのアレとか、もっと抑制し見せ方を洗練させようと思えばできたのをあえてしてないという感じ。あと"背中合わせ"のアレ!もだけど、ルークのあの見せ場とか、おたくの妄想大爆発みたいな感じだったし、かっこよさとダサさの絶妙なブレンドだと思う。そして、そういうのに感応するのはやはりアイツ……。アイツは我々ですね。しかし、ファースト・オーダーの面々の心中察するに余りあるな…「あーあ、また始まっちゃったよ…俺ら何見せられてんのマジで…」って感じ。
そしてそれはもちろん誤りではなく、一つの正解だし、正解としてそれを選択してるということは支持したい。
思えばフォースの覚醒は、まだかっこよくキメようとしてたよね(まあ久しぶりのシリーズ再開であったし、ファルコンやソロの登場など、キメるしかないこともあったわけだけど)。

まず"顔"がある。マスクを外すことで露になる顔。顔のモンタージュによって、異なる空間が結びつく。スペースオペラ宇宙戦争、壮大なSFが、若い男女の顔の結びつきによって進行するというのは、良い意味でいびつすぎるし、すごいなと思った。ぶっちゃけあのシーンは、「今何を見せられてるんだろう…」と思ったもんな。それに加えて、カイロとレイアにもそういった市0ンが用意されるのだけれど、普通あそこまでやりますか?ってくらいの編集をしている。
それから"手"のモチーフ。顔で結びつき、手が相手へ向かって伸ばされ、触れ合う、握る。地面に触れる(レイとルークの違い)。恒例の、手の動きによるフォースの発露。そして、終盤、手による接触でもあり反発でもあるシーンが登場する。

以下雑感。
・彼氏の会社の上司に紹介された女の子が、気に入られようと必死に取り繕うんだけど、当の彼氏は押し黙って全然頼りにならない、そうこうしてるうちに上司に女の子がまずいこと言っちゃって険悪になる、みたいなシーンがある。
さらに、上司の部屋に着くまでのエレベータの中で、女の子と彼氏がもじもじしながら相談する(でもその時点で彼氏が頼りにならないのは目に見えてる)シーンもある。
女の子と彼氏が夜中電話で話してると、女の子の部屋に親代わりの寮長が怒鳴り込んできて電話切らされる、みたいなシーンもある。寮長は昔から彼氏のことを知ってて、悪いやつじゃないんだけど女の子にはふさわしくないんじゃないかと思ってる。
・「聖書を捨てろ!」、わからなくもないけど、でもレイはちゃっかりアレしてるよな?それはどういうことになるのかな。
・雨のシーン、レイがファルコンで雨宿りする姿が心に残ってる。あれはなんだったんだろうか。