深沢七郎『庶民烈伝』を見つけて買って、ちょっと読んだ。いきなり深沢七郎な人間が列挙される。
新宿で『アンダーカヴァー』。雨が降るシーンがよかった。モーテルの、変な形の窓から雨が降ってるのが見えながらその前で、父親と息子がいるカット、そして、雨の中のカーチェイスホアキンからは見えない相手の車の暗い車内から銃口が出てきて撃たれ、雨のせいでフロントガラスは見えずらく、でも、前を走る父親の車と敵が並び、父親が撃たれるのがしっかり見える(なんか、笑ってはいけない新聞社で、田中とヘイポーが肝試しさせられた時のシーンを思い出した。2人がいるテントを、遠くから映したカットがあって、テントに、ヘイポーさんが1人でいて怯えて暴れまくっているのが、シルエットとなってしっかりわかる、というシーン…あれは偶然撮られてて、なおのことすごいけど)。そして、揺れる車内からの主観。かっこよかった。あとは、冒頭のかっこいい音楽とエロいシーンで、一気に引き込まれる。たまにある、上から映したショット(片隅に登場人物がいる)。あとはラスト。川沿いの、なんていうのかわからないけど背の高い葦?の中を行くシーン。犯人をあぶり出すために炎が放たれて、その中にホアキンがつっこみ、そして煙に包まれてでてくるところが、急に神話性を帯びて見えた。よく考えたら、兄弟の話だもんなー、と。しかし、なんで、マーク・ウォールバーグも、エヴァ・メンデスも死なないんだろうか…なんか、死ぬべきなような気がする。別にいいんだけど…(というか、あんまグロいシーンがないような…マーク・ウォールバーグが頭撃ちぬかれた(実際は違ったんだけど)けど血はそんなに飛び散らなかったし(というか、うわっ、撃たれた!みたいな衝撃が薄かったような…いやそんなことないか…)、父親も雨の中だから血が流されてきれいに死んでいた…あ、でもニジンスキーの部下が剃刀で首切るのはいい感じだった、けど…見られるのは切った後だし。切る瞬間じゃないし…)。『ディパーテッド』がいいのは、最終的にはみんな死ぬからだなと思った(そしてラストのマーク・ウォールバーグのあのひげづら+上下スウェット+スニーカーの上のビニール!!(それを見て観客もマット・デイモンもこれから死ぬ/殺されるってのが一発でわかる)で問答無用で撃ち殺して素早く去っていく!がやばいかっこいい…ネズミはどうでもいいが)。いやでも、死んだ方がホアキンの救われない感・すさんだ感+復讐がさらに盛り上がるような。あと個人的には、ホアキンが、元々警察学校に行ったんだけどドロップアウトして、っていう設定があったほうがよかったと思う。あれ?そういうのあったっけ…でも「終わったら、警察学校に行け」って言われてたから、やっぱ行ってないんだよな…。あとジャンボは殺すべきだろ。なんか、抵抗してきたとかなんとか言って。あと思ったのは、麻薬工場のシーン。『アメリカン・ギャングスター』の多幸感はまるでなくてものすごい緊迫してた。あと「羽根」の言い方の下手さがちょっとおもしろかった。あそこであんだけ緊張しちゃったホアキンは、かっこわるくもあるし、ものすごい堅気なんだろうな、とわかった。あとは、覆面とかに使われる、麻袋だかなんだかわからないあのベージュの袋は、アメリカだったら一般的なんだろうか…あれいいなぁ。スケアクロウが被ってるやつか。マーク・ウォールバーグ襲ったやつは紙袋だったけど。日本でやるならコンビニの袋とかだけど(『闇金ウシジマくん』の窒息させるやつみたい…あれもいいけど)、一枚じゃ透けるよな。二重にするか…?エヴァ・メンデスは、ファーギービヨンセを足したみたいな顔で、美人だからなのか、カットごとに顔が変わって見えた。あとはホアキンの情けない感じの英語の発音というかしゃべり方、マーク・ウォールバーグのくぐもった英語もかっこよかったなー。あと服装でいえば、ホアキンの着てた黒いM-65(だったか…)ジャケット。あと警察官のスウェット。あれ見て『ディパーテッド』思い出していた。また見たくなった。あと『サイン』も。