金井美恵子『書くことのはじまりにむかって』
《もう目的もはっきりしなくなってしまった行為、あるいは本来到達するはずのない目標を持った行為は、当然、永遠に続く繰り返しの中に行為そのものを目的化してしまうだろう。》(p36)
エミリ・ブロンテ『嵐が丘』、ベンヤミンボードレール 他五篇』、ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転 デイジー・ミラー』を買って、『嵐が丘』を読み始める。おもしろい…かなりユーモアな感じ。罵りあいとか。この嫌いあうというか啀み合う関係はいい。あとは風が吹いて、物事を進めていく。ロウソクを消し、枝を窓に叩き付ける。
《「ガラクタなら片づけるわよ。いやと云っても、無理にさせるんでしょうから」若奥さんはそう応戦すると、本を閉じて椅子の上に投げだした。「でも、舌が抜けるほど罵ったって、好きなこと以外はするもんか!」》(p61)