高橋悠治 対談選』読み終えた。
《そういう風に、聴こえなくても一番大事とか、ほとんどやらなくても一番しっかりしていなくてはならないとかいうのって、非常に面白いことなのね。》(p402)
《例えば、五、六人が集まって、違う楽器を持って、違う音楽をしながら、それが一つになるようなことをするほうが、実際に人間を動かして政治をやるより、血も流れないし、違った状況が見えてくるかもしれない……そのくらいだね。自律性とか、決定しなくても物事が進行できるような状況とか、そういうものが見えてきたり聞こえてきたりするような何かを提示することが、言わば実験音楽の役割で、それでそれは非常に小さいところでやっているわけです。》(p435)
《(…)結局「囲い込む」「切り捨てる」という、まさに資本主義の論理と言ったら大袈裟かもしれないけれど、そういうものなんですよ。/そうじゃなくて、いかに「あるもののようだけれど、違うものになっている」というようなことをやってみる。(…)置き換えると、一つの音楽に聴こえるのだけれど、その一つ一つの音がいろいろなところから考えられている。(…)そういう、曖昧でよくわからないものが残っている状態を残しておくことが、自分の役割なのかな。》(p436-437)
キリンジ『7』最初はあれっと思ったけど…なんかやたらとアッパーな感じでかっこいい。