SP『MOVIN'ALONG』を買った。サンプリングと、元ネタを演奏していたミュージシャンの演奏が混じっている。すごいわけわかんないと思う(ほめ言葉として)。生音っぽさ、というのが、あまり強く出ず、控えめな感じに在る。
《彼らと電話でやり取りしていくプロセスの中で、僕にはあることがはっきりした。それは彼らが音楽について語っているときだったかもしれないし、彼らが練習している最中に電話したときだったかもしれない。どちらにしろ、僕はこの音楽ってものを死ぬまでやっていくんだろうってことに気づかされたんだ。》
ムーヴィン・アロング
石黒正数それでも町は廻っている』5巻を買って読んだ。面白かった。
ギャグマンガ、とかではないんだろう。『それ町』は、ギャグ以前の何か、といった感じがする。それが、一つのページにつき、平均して一つはその何かがある。その、何かマンガらしさ、が、ものすごい変な感じを感じさせる。何か、とは、日常に感じる違和感だったり、ちょっとした気付きだったり、そんなもののことなんだろうか。でもあるある、(的なのもあるけど)とはまたちょっと違う。特に、「夢現小説」が、そう思わせる。カドイシウメカズとか。
《「迷惑じゃ ないっスか?」「私また来ても 良いのですか ね〜?」》
金井美恵子『恋愛太平記2』読み終えた。母親と朝子が、同時に、小説(なのかどうかわからんけど)を書こうと決意するのがおもしろいと思った。「地下室のメロディー」の桜子(?)のような、なんというか、あっけなさをともなう決意。決意ってほど大げさでもなく。
粘膜的表現。眠気とか、不快感とか不安が「ねばねばした」ものとしてまとわりつく感じ。《(…)居心地良く拵えすぎていて居心地が悪いといってふうのそこはかとない感じ、というか違和感が、ひとつ、ふっきれずにねばねばと貼りついているとでもいったらいいのかな、(…)》(p270)
記憶。ふっと重要なこと思い出したり、というある種鈍い劇的さをともなうような想起だけでなく、あることをきっかけに、えんえんと記憶が蘇り続け、それがその場にいる人々(いなくても、その話を聞いた人)の記憶も呼び起こす。《アメリカに帰ってから、何度も何度も思い出したのよね、灰色に全体が煙ったような雨のなかで咲いている花のことを、でも、何度も何度も思い出したってことを、今まですっかり忘れていた、変ね、と夕香は笑い、(…)》(p269)