LAコンフィデンシャル』を読み終えてしまった。おもしろかった。
写真がやたらと出てくるなぁと思っていたら、それらがつながるのがよかった。封印された猟奇殺人の死体写真、奇妙に美しいポルノ写真。そして、それらをつなぐ実際の殺人現場。おそらく、ディーダリングが金のために、そして図らずも息子のためとなったポルノアニメーションも、同じイメージを扱っていたのだろう。そして、実際のハリウッドスターに良く似た娼婦や男娼。ディズニーランドのことだと思われる偽者だけのテーマパーク。なんだか妙に明るくて、しかしその明るさが逆に不安をあおるような、暗さを持っている。明るいイメージを借りて撮影された(コスプレ)ポルノ写真のグロテスクさ/美しさ。虚構だらけの世界。本物=この世界の「犯人」を追い求めようとする物語。エドが、バドやジャックの手を借りて、本物を獲得していく過程。バドは母親の凄惨な死によって、ジャックは自らが起した殺人によって、本物をすでに手にしているといえる(しかしジャックは、偽物のポルノを作成するけど)。だからこそ、最後、エドはホワイトに似ている、といわれるようになったのかもしれないと思った。