トーマの心臓』を読んだ。胸のあたりにずしんとくるいい話だった。でもこれを現在でやろうとするとベタとか言われるし自分もそう思うだろうけど。それぞれの心象描写、独白が空間に入り交じるような感じがよかった。大きいコマが、BLっぽいとこに多く使われていて、物語的に重要なシーンは、他のとこと同じような大きさでさらっと描かれていたように思った。読み過ごしてしまいそうな感じ。謎を最後までひっぱるのも、当たり前だけどおもしろい。


笛吹川』を読む。何代か人が続けて出てくるうちに、そこで話されている人々の関係がわからなくなってくる。おじい、半蔵、ミツ、とか。名前も似てるし。
あと惣蔵と、定平、おけい、平吉の御屋形様への考え方がずれるのも面白い。御屋形様のせいで苦しめられてきたと思うか、御屋形様が土地を守ってくれたと思うか、の違い。
そして、あれだけ姿の見えなかった御屋形様が、あっけなく唐突に、登場するのもおもしろい。みんなでついていっちゃうのも。