宇野浩二芥川龍之介(上)』読む。かっこで「註」だけでなく「いいわけ」してみたり「宇野曰く」と自分の考えや知識を語ったりする。それが地の文だけでなく引用文にもあるのが自由だなと思っておもしろい。書きたいことを書いて脱線したり(「悪癖」である「寄り道」)やめてみたりもするが、常に話題がずれていきそうな感じを孕んで進んでいく。万葉集などの和歌も多く登場する。
そうして、芥川やその他当時の小説家たち、女性たちのエピソードが語られていく。
特に(当たり前だけど…タイトルがタイトルだし)芥川については、その言動(「早業」)、身振り(深々とするお辞儀)、表情(いたずらっ子のように「にやにや」笑う)、性格(明るいが寂しい、憎めない)が生き生き描かれる。多少(?)の嫌味と共に。
いしいしんじ『三崎日和 いしいしんじごはん日記2』も読む。園子さんの引越し先に水がどんどん湧いてきてしまう場所がある、らしい。