デヴィッド・O・ラッセル『ザ・ファイター』をDVDで見た。

クリスチャン・ベールマーク・ウォールバーグ。二人が演じる兄弟を映し出すのは複数のメディアだ。兄を追うドキュメンタリーの撮影クルー、画角のバラバラな過去の試合映像、ブラウン管でも見られる試合中継のテレビカメラの映像。その間を埋めるように現れるのは、登場人物の動きを追うような生き生きとしたこの映画のカメラ。
撮影はホイテ・ヴァン・ホイテマ、というひとらしい。すごく好みのカメラワークだった。去っていく兄と、手前で恋人とキスをする弟、という構図が素晴らしかった。家の上下両方からの視線とか、窓越しの覗き見、など、建物を利用したものも良かったし。
描かれているのは、ひどいホワイト・トラッシュの世界観と、家族の抑圧、何かすごい新しいモチーフではないのだけれど、映像がやたらとスタイリッシュなのと相まって、愛すべき映画に仕上がっておりました(なんだこの口調)。
超今さらだが、ちっさーのソロ曲、タイトルからも予想できたとおり、めっちゃ好きでした/アナログフィッシュのベスト&ライブ盤、良さそうだなぁ/吉本光宏『陰謀のスペクタクル 〈覚醒〉をめぐる映画論的考察』読んでる。アメリカの抱える病理、敵の不在と自己回帰/