柴崎友香『その街の今は』読み終えた。

その街の今は (新潮文庫)

その街の今は (新潮文庫)

《角に来るたび西側に見える商店街と、だいぶ近くなってきた中央大通りはこことは対照的に人と車がうるさく行き交っているのが、遠くから響いてくるように感じる。》(p43)
《触るのもはばかられるくらい汚れているからというよりも、遠いからだと思った。》(p74)
これらの遠さ、を、距離を、時間を、
一瞬で縮めてしまうもの。
《だけどその人たちは、今わたしを見ていて、そこにいるのだった。》(p67)
《作り物だから、ということもあるかもしれないけれど、だけどそうやって作られた映画も、時代を経たものを見ればたとえばそれが時代劇でも、江戸時代ではなくてやっぱりそれが作られたそのときを感じる。そのときその場所に存在した、なにかを。》(p116)
それは、ここで語られるような、言葉ではっきり明示できない、質感とか感覚、みたいなもの。


室井大資エバタのロック』4巻買って読み終えた。ひとまず完結。

エバタのロック 4 (ビッグコミックス)

エバタのロック 4 (ビッグコミックス)

しかし、おもしろいんだけど、ドラマ化もアニメ化もできないのが悔やまれるなぁ。いや、アニメはできるか。
とことん決まってるフレーズだけで作られたセリフの連続。あと表情描くのうまい。