デイヴィット・トゥープ『音の海』を読んでいる。
《(…)ブライアン・イーノが「アンビエント・ミュージック」という言葉を自らの活動に用いたとき、彼は作る行為に重点を置くことをやめ、代わりに聴く行為に焦点を当てた。(…)さまざまな力が、生産者と消費者の序列的で分離した役割を、少しずつ崩していった。(…)初期のディスコDJたちがパフォーマンス/パフォーマー/オーディエンスの硬直した定義を破壊する役割を果たした。》p64
AMM《ステージの端に立って近くを見回してみると、観客の誰ひとらとしてこれが演奏だと気づいていない。私自身、それに気づくには、これまで抱いていた演奏の概念を打ち砕かなければならなかった。》p71
《「夜中にアメリカの高速道路を、遠くで浮かんでは消えるネオンサインやきれぎれのラジオと車の音を感じながら運転している」》p95
《この祭礼が行われる十―十六日間、人々はほとんどものを食べず、竹の筒で大量の水を飲む。五、六人の男が円になって座り、硬木を磨いて作った丸い大きな板を、つま先とひざで持ち上げる。(…)「全員、横隔膜を持ち上げて、板を腹のくぼみに深く押し込む。それから板の縁の上に横隔膜を乗せるようにして、口を開ける。すると老人が先端に石のついたバチで、静かに板の中心を叩きはじめる。男たちの口から発せられる音は、膨らませた肺から反響しているらしい。そのブーンと低くとどろく音は、他の地域の大きな皮製太鼓と似ている」。》p98
巨大すぎる楽器(人型…)、自然をそのまま使った楽器(掘った穴を使ったり=ライオンズロア)。p99「夜間に、祖先の言霊を真似るのに使われる」「戦争・災害の周知に使われ、王の死後は朽ちるまで野外に放置される」
大音量の音が、広く響き渡り、人々を支配し、荒波を鎮め、疫病をはねのけ空気を浄化する。p102
シャリヴァリ(レヴィ=ストロース『生のものと火を通したもの』より)、またはスキミントンライド(イギリスの田舎では)=台所で、そこにある道具を使って騒音を立てる女性による異議申し立て。p103
騒音(死ぬ直前)と沈黙(死んだ後)の対立の有標化。p104
ティプの虎。p105
p114〜5