深沢七郎コレクション 流』読み終えた。
《「あれだ」と、彼女を見つけた途端、さーっと、ドンチョーは悪寒がしてきた。なぜだかしらない。そこに現れているのはドンチョーがすべてを知っている女体なのだ。その女体が目の前に、しかも、多勢の男たちの前に現れているのだ。(…)見ていられないように嫌な感じがするのは、彼女の身体が動くたびに汚いものが動いているように見えるのである。(…)/(なんという嫌な顔だろう)と、ドンチョーは思った。そう思った途端、(もう、あの女と一緒には寝ないぞ)と決心した。》(p296)
再読だった「女形」も「みちのくの人形たち」も、圧倒的な緊張感があった。相反する理たちが同時に現れる時の、背筋が寒くなる、えもいわれぬ感じがある。不快感と快感、安らぎと恐怖。
なんなんだろうかまじで。ほんとうにすごすぎる。
で、ナボコフ『賜物』ちょっと読む。すぐ引き込まれる。自然描写(常に美しい過去と結びついている)。現実と回想。
結局、同じような、わかりきった素晴らしい物語が好きなんだと思う。
『SPEC』ジョジョかー。確かにそうだ。でも、こういう取り込み方は悪くないんじゃないか。そしたらあとは第四部を実写化するだけだな。