ケネス・ブラナーマイティ・ソー』見た。まず、3Dである必要あまりなし。

ひたすらに上からの視点、斜めに傾いた構図。地球上のシーンで多かったような気が。監督としては、ロキの苦悩、葛藤に重点をおいて描いているように感じたし、トム・ヒドルストンの演技も抑えめなトーンが良かった(『戦火の馬』にも出んのか…)。まぁ、境遇的に深みがあるのは弟のほうだからしょうがない。あとは、ナタ子やっぱかわいいわ、とか、ジェレミー・レナーホークアイはなんなの(かっこよかったけど)、とか、クリス・ヘムズワース良い身体すぎるわ、とか、あの仲間たちの微妙な感じは…、とか、徒然思うことはあった。
もっとまじめに考えたらいろいろ出てきそうではあるのだけれど(気になるのは「場所」についてなんだけど。つまりニューメキシコ、アズガルド、ヨトゥンヘイム)とりあえず、『ジ・アベンジャーズ』への目配せ(「ガンマ線の研究者」って…ねぇ)多くねぇか。
そして、マイケル・ベイトランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』を、満を持してIMAX 3Dで見た。

これが、今までで一番、内容があったというか、語りたいものが存在していた。それは、宇宙開発であり、冷戦であり、(ある意味でこのシリーズでは常に主題であったともいえる)エネルギーによる覇権争い(しかしチェルノブイリまで出してくる、というのが、本気度を感じる…スピルバーグの差し金か?ともちょっと思ったり)、だったりしたのだけれど、一番のモチーフは、「job」だった。
サムの就職活動はいわすもがなで、彼の、自分の「job」=仕事、真の役割、(家族に、世界に、恋人に)しなければならないこと、を探し受け容れる過程の物語、とも言えるし(そういう意味じゃあ『マイティ・ソー』もそうなんだけど)、オートポッドたちはそもそも、何をすべき/何を望まれ、ているのか、について、その疑問を相対化するような存在が今回の敵だったように思う。一歩間違えれば、オプティマスたちがそうなっていたかもしれないような存在。
そして、『ダークナイト』のぱくりみたいな音楽(いやかっこいいんですけどね)の中で行われるシカゴでの市街戦…ビルの崩壊の様子が完全に911を意識していた。内部で、人間がどんな目にあってたかが描きたかったのでは…さすがベイやん。人が焼け死に一瞬で骨になるところがちらっと見えただけでも良しとしたい。
あと、失って初めて気付くということがある。ヒロインは、ミーガン・フォックスじゃなきゃだめだったね。
相変らずの、両親筆頭に、手のつけられない、おかしな大人を描きたいんだなぁと思った。ジョン・タトゥーロに飽き足らず、わざわざ、マルコヴィッチまで出して。
IMAX 3Dは、画角サイズでかいままで、映画が見れた、というのもなかなかないし、実際宇宙でのシーンには、かなり効果的だったように感じました。

宇野浩二『苦の世界』と後藤明生吉野太夫』と和田芳恵『暗い流れ』買った。なかなかよい古本屋@阿佐ヶ谷。コルタサル『石蹴り遊び』もあったけど高くて買わなかった/Tyler, The Creater 『Goblin』買って聴く。悪夢の中から響いてくる呻き声のようなラップ。音数の少ない、まるでどれも同じものに思えるトラック。悪意と蔑み、等々に満ちたリリック。最高だし、エミネムが褒めるのも当然という気がする/電車内で『俺が戸田恵里香になりたいっていう話したっけ?』というキラーフレーズ聞いた/Tyler, The Creater聴きすぎて気分悪くなった/