買って読んだマンガ。


空木哲生『鴨の水かき』1巻

鴨の水かき 1巻 (ビームコミックス)

鴨の水かき 1巻 (ビームコミックス)

またしてもFellows!(いまはハルタか)掲載作品ということで、もう定期購読したろかという気持ちになっている。『補助隊モズクス』もおもしろいしなぁ(ただ画、というか、クリーチャーの描き方が、まじできもちわるい…良いんだけども)。
好みの小規模お仕事もの、らしき内容だったので買ってみた。その予想はほぼ当たっていて面白く読めた。大きな案件を扱ったストーリーが若干ご都合っぽかったのは否めないけれど。というよりむしろ、台詞回しの妙を楽しめた。《「良子 悲しい!」「前原もうそれ 飽きちゃった 違うのやってよ」》(p135)とか、《「前原さんってば いつもと 変わらず 荒れてたな―」》(p155)とか、《「オメェんじゃねえよ!」「って あれ? 何この 負けてる感」》(p232)とか、登場人物たちの背景の世界観を、さりげなく提示する、言葉遣いや単語のセレクトが良い。
そのリアリティとは別のベクトルを画では表現している。1コマの中の激しく誇張された動き。


谷口菜津子『さよなら、レバ刺し 〜禁止までの438日間〜』

『わたしは全然不幸じゃありませんからね!』に垣間見えるような、もう臆面もなく言ってしまえば悲哀みたいなものがほとんど感じられない。それって、自虐芸ということではなくて、作家性みたいなものだと思うのだけれど(例えばこのサイトのマンガとか胸が苦しくなるような哀しさと、それゆえの良さある)。