大友啓史『るろうに剣心』を見た。

いやー、めちゃめちゃ良かった。
ノーラン特集のユリイカに大友さんのインタビューがあったのが、この映画を見るとさもありなん、という感じ。
剣心自体の設定(不殺、は、どんなに凶悪で始末に負えない敵でも、殺すことが出来ない、ということだし)がそもそも、だし、和月さんがアメコミ好きということもあるし…。つまり、原作に内包されていたモチーフが、ある指向性を持った監督――しかも『龍馬伝』という作品まである――と出会い、映画化されたというのは、そういうレベルの出来事が日本で起こった、という点でまず素晴らしいと思う。
あと個人的には、剣心があの着物を身につけた時のカメラワークが、こんなことは言いたくないのだけれど、アメリカ映画だな、と。こういう映像描写ができる邦画って、あるんだろうか。(全然関係ないが、エンドロールの「動物を傷つけていません」テロップ、必要ある?完全ハリウッドじゃん…最高)
そして、最早言及するしかない、怒涛のアクション。格闘、移動、剣術、の早さ、高さと低さ(上下移動、低い位置での動き、飛び上がり)、非現実さ(意外とこれが重要かもしれないが…)。そりゃあ窮屈な構図もあるけど、ポール・グリーングラスだと思えば全然許容。独特のけれんみも最高(なんてったってマンガ原作だからね)。綾野くんの中二丸出し感(意味不明なキャラにぞくぞくしたね…電王VSオルフェノクですわ)。
役者も、佐藤健はもちろんのこと(圧倒的に動ける!やっぱライダーはすげぇ)、吉川晃司のはんぱなさ(「勝てそうもなさ」をここまで出せる人とは…)、そして、武井咲も良いと思ったよ(眠っている瞬間の、あの照明も、意図的に彼女を、市井の一介の少女として描こうとしているのが読み取れたし…)。
どうやら、『インファナル・アフェア』のリメイクドラマを作るらしい。監督を知って、誰かほかに出来る人いないのかよ…と考えた時、浮かんだのが、原田眞人だったんだけど、今ではそこに自信を持って大友監督の名前を持ってきたい。
そしてまた、落合モトキ映画ということに、深く感じ入る…。
ようやく東浩紀『一般意思2.0』買った。