今週末公開の見たい映画、スパイク・リーオールド・ボーイ』(予告編の、ジョシュ・ブローリンのハンマーアクション長回し超見てぇ)、『her/世界にひとつの彼女』、『トランセンデンス』、『パークランド ケネディ暗殺、真実味の4日間』とかあるんだけど、明日深夜の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』六本木先行上映ですべて吹き飛んだ…これ見ないとだめだろ…。で、土曜はパークランド見るか。朝がんばって起きよう。


ナボコフ『青白い炎』が岩波文庫で出てたのを見て速攻買った。

早速読み始めてるのだけれど、おもしろすぎるな。偏執的、思い込みと狂気に満ちた注釈(《青白く半透明に光るその最終段階において、完成した作品そのものはわたしの話のあからさまなこだまだと見なせないということを、残念ながらはっきりと認めないわけにはいかないけれども(…)その話の夕映えにも似た輝きが、シェイドに、千行もの詩を三週間で生み出させた持続的な創造的活力が発揮されている過程で、一種の触媒作用の役割を果たしたということは、ほとんど疑いの余地もないのである。》(p199)…この口ぶりと断定。こんなような狂った文章がところどころに頻出するのだからたまらん)。…ただ、それの確証は誰にもない(「作者」にも、読者にも)。
ああナボコフだなぁ、と笑ってしまう箇所、なんて最高なんだろうか。
注釈の著者キンボードが借りる家の持ち主である判事ゴールズワス氏の四人の娘、《(…)アルフィーナ(九歳)も、ベティ(十歳)も、キャンディーダ(十二歳)も、そしてディー(十歳)も、ぞっとするほど可愛い女学生から洗練された若い婦人や立派な母親へと時期に変身するであろうが、彼女たちの小生意気な写真には大層苛立たしい思いにさせられたものだから、白状するが、とうとうわたしはそれらを一枚ずつ取りはずしてセロハンに包まれた彼女たちの衣服を一列に吊してある絞首台状の物掛けの下の押入れの中に全部ほうりこんでしまったのである。》(p202)。
判事の蔵書のなかで《(…)素人でも知識を得たり楽しんだりすることができるのは、判事が刑務所に送り込んだり死刑を宣告した罪人たちの履歴やら写真やらを眼を細めながら貼り付けたモロッコ革製のアルバムだった。》(p203)。
判事による、「借家人」のための様々な「助言やら、指図やら、補足一覧表」を書いた「紙切れ」の中に、《(…)わたしはこの家に住みついた黒猫の規定食表を見つけた。/月、水、金 肝臓(レヴァー)/火、木、土 魚/日 挽肉/(わたしが与えてやったのはミルクと鰯だけである。それは感じのよい子猫であったが、しばらく経つうちにその動作がわたしの神経に障りはじめたものだから、清掃婦のフィンリイ夫人に預けてしまった)。》(p205)
「絞首台状」「眼を細めながら」「月、水、金 肝臓(レヴァー)/火、木、土 魚/日 挽肉」…この描写、なんていじわるで、しかし汲めども汲みつくせぬ魅力にあふれている。


フィンチャーの『ゴーン・ガール』のトレーラーの、ベン・アフレックのあの写真を横にした笑い方、何かを思い出させるな…と考えていて、ふと思いついた。ブラマヨ小杉さんの笑い方だ(決して笑顔そのものではなく、笑いに至る顔の動き、とでもいうか)。


小杉さんには、サイコキラー役とかやっていただきたい。


『若者たち2014』で妻夫木くんにああいう感じをやらせるの、やめたほうがいいのでは。瑛太はいいけども。