萩原健太郎『東京喰種 トーキョーグール』


特訓シーンがあるだけでまず100万点(偉そうですみません)。しかもそこにかっこよさだけでなく笑いもある。

そして、真戸さん役の大泉洋がくそかっこよくて最高(ドーナツのセリフまじやばい)。
自分は大泉さんを、パパパパパフィーで知った(古いな!)ので、そのイメージがどうしてもぬぐえなかったのだけれど、例えば『探偵はBARにいる』や『アイアムアヒーロー』なんかを見て、本来は(って言っちゃあ失礼ですが)この人は2枚目寄りの俳優なんだなということがわかってきていての、本作。がっつり魅了されました。
(今ふと調べたらハガレンでショウ・タッカー役やるんですか!またマッドサイエンティストじゃないっすか!見たい!)

戦闘のロケーションも良かったです。原作通りなんだろうけど、水辺(川にしたのは正解でしょう)を舞台にしたり、ちゃんと戦闘が夜にあったり。雨が降るシーンもよかったけれど、これは昼だった(夜でしょう、そこは)。

刑事物定番の、監視カメラで人探し、からの「ここを拡大しろ」があるんですが、その時のインターフェースのデザインがちゃんとしてて(箇所指定する枠に数値付いてたり、拡大時にメッセージ出る別ウィンドウ立ち上がるのとか)良かった。あまりひどい言い方はひかえますがくそ邦画(ひかえられてない)は必ずこういうところで雑さを露呈するので、そういうのが無いだけでも良い。

主人公金木と敵対する喰種2人(2体?)とも眼鏡をかけてることが気になって原作愛読者に質問したところそれは原作通りとのことだった。攻撃的喰種は証としての瞳を隠す。それを相対するものとして、ファーストカットの、金木のむき出しの瞳のあまりにも生々しく眼をそむけたくなるほどの長いクローズアップがある。ただ、瞳のイコノグラフィを突き詰めるならば。終盤の戦いでの、亜門と金木の間に涙の「交感」があっても良かった、けど、それだとあまりにも意味を持ちすぎるのだろうか。