ポール・グリーングラスキャプテン・フィリップス』見た。

原作本のタイトルが、『A Captain's Duty』ならば、この映画も「2人の」キャプテンの話、である。
海賊のリーダームセが繰り返しフィリップス船長に言う、大丈夫、問題ない、うまくいく、という言葉が、今度は、事件解決後船長を診断する女性の口から繰り返される。
ムセの、アメリカに行きたい、という(半ば冗談めかした)願望は、拘束され、刑務所に収監されるという形で達せられる。
海賊たちにしゃべるな、だまれ、と脅されても語ることをやめなかった船長が、保護されると失語症にかかったように言葉を発することができなくなる。
救助船から、縄を掛ける伝って、曳航している戦艦へ、カメラが動いて全体を捉える夜のカット、はっとする美しさがあった。
にしても、パソコンをチェックするあっさりとしたフィリップス船長の出発(というか、「出勤」)シーン(妻との会話を描くことでより内省的、というか心象的になってる)と、明らかにかっこいいというかテンションの上がるソマリアの海賊のメンバー集めのシーン(船を海へ押し出すところ、躍動しているなぁ)を、両者ともにきっちりと描くことから映画をスタートさせるの真摯だと思う。
そこからの細かい描写の積み重ね(貨物船出航の準備から、襲撃を受けた際の撃退、乗り込まれてからの船員たちの動き)に魅了されてしまう。全然弛緩していない。
葉っぱくってガンぎまりで目むいてる海賊たち、貧弱な身体がゆらゆらし、焦点定まらず、揺れる船の中で精神的にも衰弱していく。それに比べて、短く移されるのみだけど、鍛えて厚みをもった肉体が垣間見えるネイビーシールズのぶれなさときたら…交渉中の微動だにしなさ、目元や言葉の一定っぷり…。
挙句あの正確無比な射撃に唖然とした。まじか。あれがノンフィクションなのか。
おそらく、主演をトム・ハンクスにしたことで、この映画が形になったんだろうなとしみじみ。グリーングラスは、本当は無名の人ばかりで撮りたかったんじゃないだろうか。『ユナイテット93』みたいに。ソマリアの方々のリアリティ半端なかったしなぁ。
体調あまりよくないけれど、映画おもしろかったので上向きに。『REDリターンズ』も見ないとな…。


アメイジングスパイダーマン2』の予告、はんっっっっぱねぇ。物凄い大袈裟なことになってる。エレクトロとの高速スロー化戦闘シーンのむちゃくちゃなワンカット。全部、全員CG感。アニメか。デハーンくんのやばさ、期待してしまう。


「トロピカ〜ル恋して〜る」の《食事とかマナーをちゃんと教えててくれたパパママ感謝》っていうラインの気持ちよさ。にしても、初期あやや、思っていたより躁っぽさ、あげあげな感じではない。むしろ落ち着いたトーンで統一されている。


リークされたChildish Gambino『Because The Internet』と、The Internet『Feel Good』入手し聴いている。
The Internetは、イヤフォンで聴いた方がよいな。こもった感じがぐっとくる。