アントワーン・フークアクロッシング』をDVDで見た。

イーサン・ホーク=サルは自宅で(自身の背中の入れ墨を見せるように)、リチャード・ギア=エディは娼婦の家で自らの姿と向かいあうように、ドン・チードル=タンゴは怒りをぶちまけたトイレで(合わせ鏡になっていた)、彼らは無意識のうちに鏡と相対する。
・黒人社会の雰囲気、公営住宅のシーンを描くと俄然生き生きとする。というか、この映画の一つの重要なモチーフが、この公営住宅で、実際最後の、3人がcrossingするくだりも、公営住宅が舞台となるし、銃撃戦の緊張感も、入り組んで部屋がいくつかあり見通しがあまりない構造だからこそ生まれている。
・夜のブルックリンの凶暴さ。
・黒人のギャングたちの服装(アディダス、フィラのジャージ)がかっこ良い。
リチャード・ギア、まぬけな顔してるなぁ。緊迫感がないのが売りか。
イーサン・ホーク、わけわかんないことになってる。まるでやりすぎの代名詞、クリスチャン・ベールのよう。
・なんというか、キャラクターそれぞれの設定(嫁が他人種、とか、潜入捜査で気が狂いそう、とか、黒人の娼婦にしか気が許せない、とか)はぐっとくるんだけど、それが、ストーリーに、がっつり生かせていないような気がした。