ダーレン・アロノフスキー『ノア 約束の舟』見た。

終盤で、髭と髪の毛ぼーぼーのラッシーが、こちらへ向かって歩いてくるシーンがあるのだけれど、それが、ただのホームレスのおっさんがふらつきながら歩いてくるだけのように見えて笑ってしまった。
映画内で重点が置かれ、俄然描写も生き生きしてくるのは、箱舟が現れると人間たちはどのようにそれに対して反応するかその様子や、箱舟内という極限状態でノアという常軌を逸した人間を含む人々がどのような状況に陥ったのか、というところだった。
動物ももっと本物を使った方がいいのではないか。あと、長男が大きくなってからかわいくなさすぎる。次男役ローガン君は別にして。


たまたまサム・ライミスパイダーマン』を久しぶりに見た。

最高すぎた。アメスパまぁまぁいいんじゃない派の自分もこれを改めて見てしまうと酷評したくなる。ウィレム・デフォーの白目、炎のカット繋ぎ、一人芝居、たまらない。トビーのピーター・パーカーは、ファッション含めて徹底的にださくて大好きだった(アンドリューのかっこいい版も好きだけど)。キルスティンのMJのリアリティばりばりなヒロイン感じ入るところあるし、ジェームズ・フランコはなんてかわいらしんでしょうか。
そして恐怖する女性はカメラ目線で激しく泣き叫ぶものなんだ!と演出したに違いないサム・ライミはけっして間違えない映画監督だ。そのオールドスタイルにはただただひれ伏すしかないし泣ける。糸を腕から直接出させているその生々しさ(ピーターの精神と連動する)のも絶対に正解だった。
繰り返される自称である「親愛なる隣人」、ヤンキース(ベンおじさんの写真)やメッツ(橋の上からスパイディを助ける男性)のキャップ、ニューヨークのヒーローとして徹頭徹尾描こうとしている。