デヴィッド・エアー『フューリー』見た。

サボタージュ』とあわせて、デヴィッド・エアーの「お父さん二部作」といった趣きだった。また、その教育的な、家族的な描写がそこかしこに見られるのだけれど――ドイツ人女性を加えた険悪な「家族団欒」、「父(daddy)」が「息子(son)」に無理矢理やらせる銃殺(という名のイニシエーション)、「息子」に新たな名=通り名がつく時の「家族」の喜び、など――、妙にひっかかるのはその長さか。独特のねちっこさ、ウェットさ。
そこにまたたたみかけるようなゴア描写。でもそれが必ずしも驚かしになっていない。人物のワンショットからの突然の攻撃といったシーンは無く、戦争の風景としての奇襲は、かならず音や敵の姿という予兆をともなってあらわれる。そういった意味で丁寧な、正統な戦争映画なのかもしれない。登場人物たちのヒーロー化というのも含めて。
まーブラッド・ピットが憎悪を込めて「nazi」と口にするとき、アルド・レイン中尉を思い出してしまい、比べざるをえなくなるんだけども。
でもフューリー号にのりこむキャストは完璧だなー。ガチ狂いモードのシャイアと、童貞(なのか・・・?)ローガンくん。お手の物キャラのマイケル・ペーニャジョン・バーンサル(面がいいね!)。