ジョン・ファヴローアイアンマン2』見た。

とにかく、上手い、映画だった。ものの登場のさせ方、見せ方。カットがもたつかない。
例えば、アイアンマンとウォーマシンのけんか。暴れすぎて2人は、下の階に落ちてしまう。そこはガラス張りで、その外のテラスには招待客がいる。客たちの前で2人は戦い、見られているのに気づいたアイアンマン=トニー・スタークは、吼えて客たちを追い払う。こうした一連の流れがそのまま、「見世物」と化してしまっている、アイアンマンのおかれた状況を表している。嫌味なくらいだなーと思う。
あとは、ドーナツ屋での話、ウィップラッシュがつりさげた警備員、日本庭園での戦闘、とか。
最初の登場のあほさ加減が最高。
あとは、一線越えた系おやじのインテリっぽい役、というのが…。ミッキー・ロークのメガネでPC使ってるとことか…やべぇだろ。
相変わらずガジェットは良い。3DCG化したものを動かすのとか。
あと、最終的には、作業に没頭してありものを使い出す、みたいのとか、つぼだった。
スカヨハ…アクションかっこよすぎ。あの、あれだと思いきや…みたいなキャラクターはいい。リングにあがってくるとことかも…。
そしてロバート・ダウニー・Jrは最高という他なし。あの着崩し方、立ち振る舞い。
あとサム・ロックウェル、めっちゃいい役者だったんだなぁ。
と、ほめてばっかりになってしまう。。。
なぜなら、この映画が、古いフィルムと向き合う映画だったから。そんなんされたらほめるほかなし。ずるいなーあれは。
古い映像に影響される、「古い未来」(古いスターク・エキスポ/パビリオンの設置模型/父親から託される言葉)から「新しい未来」(新しいスターク・エキスポ/新元素/子供としての安心感)を創造する(しかしウィップラッシュ=ヴァンコ(一族)という、ある種の父の「負の遺産」と相対することにもなってしまう・そこに父への疑いが加わる…)、戦争とアメリカと軍事力の関係(ドローンという発想…)、抑止力=核に対抗する力・としてのアイアイマン、ナルシシズムの塊であったはずのトニー・ヒーローとしての自我と社長としての役割(に耐えかねてペッパー・ポッツに明け渡してしまう…まぁまぁでもそのおかげでラストがあるからいいんか)、ショーとしての戦争(エキスポのばか演出、見世物化)、…
などなどいろいろ提起しつつ同時にうやむやにもしながらラストまで行っちゃう、というんが、つまりは最高なアメリカ映画、ってことだ。