ブラッド・バードミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』見た。

また例によって、IMAXで見なかった。がまんできなかったので。
そりゃあ確かに、最高だった。この画面で、トム・クルーズのアクションを見ることは祝祭だ。でも。
例えば砂煙の中のカーチェイスブルジュ・ハリファのよじ登り、水中での弾丸の嵐、刑務所脱獄からクレムリン爆破、という、見たことのなさにこだわっていたのはうれしかったし、見ていて興奮させられたのだけれど、それが、おもしろい動きの描写につながっていかないもどかしさを感じた。一枚絵のすごさはあれど、という感じ。例えば、砂嵐の中で、イーサン・ハントがどうにか敵を追跡していくシーンでは、ほとんどトム兄の独り芝居みたいな部分もあったりして、物足りない。そうじゃなくてそこは、車がびゅんびゅんきたり、らくだ轢きそうになったり、視界がまるっきり遮られた中での(そうした条件を利用して発生させる障害を必死で掻い潜っていく)アクションだろと。車が飛んでくるときに、イーサンうずくまってしまってるし。そう、クレムリン爆発の時も、ビルの宙づりの時も、(イーサンの)動きが停滞する。むしろ、回想で描かれる、あるエージェントの逃走の過程と死の物語に方が、短い時間ではあるが、充実していたように思う(飛び降りながらの銃撃ははんぱない)。ラストのタワー駐車場も、止まったり動いたりのテンポがいまいちじゃないか?望んでいたのは、もっとこう、スピーディーで(トム・クルーズジェレミー・レナーの一瞬のやり合いの時のような…ホテルの一室での「殺せ!」の時のような…しかし後者も密室での格闘を描き切れていなかったようだったけれど、緊張感はすばらしい)、緊迫していて、イーサン・ハントはミスしてもそこで悪態なんて付かずに即次の行動を起こす、ような、そんな映画。
とかなんとか言いましたが、すばらしい映画であるのは間違いない。トム兄の全力疾走、むちゃくちゃなスパイグッズ、どうしてもうまくいかないハニートラップ、女暗殺者(『ミュンヘン』思い出したよね)、オープニング、ミシェル・モナハン(そればっかか、といわれるだろうけど)、…感動と興奮をたっぷり味あわせてくれる。それでよいのだ。それで十分。