三宅唱『Playback』見た。

2人、もしくは3人で行われ始める会話は次第にずれ、断絶され、画も分断され、その場に彼は(彼らは)いるのかいないのか、誰と誰が本当のその場にいるのか、まるでわからなくなり、死の匂いが充溢する。いくら久しぶりに故郷に帰ってきたからと言って、結婚式の前に墓参りをするだろうか。あれだけ生きていた(という言い方も変だが)、というか生に満ちていた女性教師(だよな?)も長い闘病を経て(と勝手に設定を付け加えてしまうが)死んでしまうし。
関係ないが、ハジの母親・恋人役の人と、女性教師役の人は、何か、ある種イメージに類似性があるな。
そして、まるで答え合わせのように「2度目」があり、誰が死者か判明する。無論、それすらも疑わしいものであることは前提の上だが。モンジの妹とか、明らかに「あやしい」。
映画は、1カットごとに人間を死に至らしめる。前のカットと次のカットは、接続されていない、ただ並べられている。いや、それどころではない。1秒は24コマに細かく分けられているのだから、もともと繋がって、継続して、生きていない。
個人的には、山本浩司が好きだとあらためて思った。骨折してるのとか最高だなと。
あとスケボーかっこいい。滑り出し、ゆるやかに弧を描き、地震による裂け目を軽々飛び越える。いやぎりぎり飛び越える、か。小学生レベルの感想。…いや小学生を馬鹿にしてはいけないな。
最近聴いてよかったもの。
KZ & doiken『Plain』ともかくトラックがくそかっこいい。
NΣΣT『Satsuki EP』ジャケがずるい。
蛇 (近江音盤)『悶談蛇頭和楽器をネタにしつつ超タイトなリズムがかっこいい。
掌幻 × Yue Cue『Jackin' 4 JP Vol.1』J-POPのビートジャック。「free bird」とかまんまなんだけど、センス良い。
ノースリーブスの新曲とか、「Dance My Generation」聴くたびに、キリショーのソングライティング力に驚嘆している。パロディーのやばさもさることながら、歯切れの良さと詰め込み具合のバランスのとり方の絶妙さよ。後者に関しては、浅倉大介の力もでかいとは思うけど。
にしても、石野卓球作のこじはるのソロのあからさまな電気っぷり(「いやー電気見たいな感じでよろしく頼むよ」と言われて作ったのか)もすごい。