ポール・トーマス・アンダーソン『ザ・マスター』見た。

なぜ、青なのか。
漆黒のスクリーンから、波と泡が渦巻く海面のカットに変わる瞬間の鮮やかさ(これは後に、暗い扉を開けてうす曇りの日中の空の下畑を疾走するシーンに繋がっている、…あの唐突さ)。そして、南国の青空、ブルーのデニムジーンズ、おそらく海軍病院での入院着、暗室、で作られるフレディ(ホアキン・フェニックス)自作のブレンド酒、を入れる瓶(「毒入り」)、海兵隊の制服、格子柄のシャツ、マリー(エイミー・アダムス)の纏う妊婦用のドレス、浴室のタイル、…濃淡の異なる青のイメージの連鎖。

画、だけでなく、動きの素晴らしさ、は言わずもがなかもしれないが。
ホアキン・フェニックスの、演技の度を超えている、歪みを抱えた身体表現…あの顔は何なのか、あの肩の形状は?まるで手術でもしたかのようで圧倒され、動きの激しさは、まるで子供のようなリミッターのなさ(警察との格闘)、「動物」のようだ(出所後の「マスター」とのじゃれあい)。
そんな彼を捉えるときのカメラワークも尋常ではない。百貨店での客との乱闘からの逃亡、先述の畑の逃走シーン、「マスター」のパーティー会場である船の横を通り、船上のダンスから再びフレディ、そして船に突然飛び乗るくだり、――これらはすべて震えるほどのワンカットだ――、荒野を爆走するバイク、…挙げれば枚挙に暇なし。

うーむ…とりあえず、箇条書き(集中力切れてきたので)

・マリー=エイミー・アダムスは何なのか。あの暗がりでの、酒を断つよう命令してくるシーンの恐ろしさ、夫の「代理」として激昂する行為…、それに、鏡の前で「ぬいて」あげるシーンは、いったい…。あの裸に見えるところ(っても何の事だか…)のあとだから、あれは欲情していた、ということか?フレディではなくランカスターが?あれは誰の視線だったのか。
・映画館のへの電話、からのイングランドへの旅、決別、のとこが…なんかひっかかる。
・想起する、記憶を呼び戻す、ことから、想像する、ことへの変化とは。
・エンドロールのキャストの出方が、場所で区切られてたのおもしろい。「フィラデルフィア」とか「ニューヨーク」、とかで。
・クラーク役の人、どっかで見たことあんなー、と思ったら、『ナイトミュージアム』とか『幸せの教室』出てたんだな…。

うー言いたいことはいろいろあるような気がするのだけれど、何も出てこない。

いましろたかし『引き潮』買った。最高。たぬき3匹のエピソードだけで買う価値あり。あるあるというレベルではない、なにか胸を打つようなリアリティ…。大げさか…。
あと、Juice=Juice「私が言う前に抱きしめなきゃね」のPV見たんすけど、編曲あたまおかしい(ほめてます)。ダンスすげー(とくに佳林ちゃんさんが)。