引き続き見た映画。これでようやく今においついた…。


スティーヴン・ナイト『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』

完全に個人的な感情で身につまされてしまった。車の中のファイルとか、あーって声出る感じ。
過去から積み重ねてきたものが、現況のトラブルを救ってくれる場合とそうでない場合がある。確かにポーランド人の技術者や役所の担当者は前者だし、妻は後者なんだけどだからとはいえ前者=仕事、後者=家族と分けられるわけではない。現にシカゴ本社は即刻クビを言い渡す。コンクリートは間違った配合のものを使用してしまえば終わり。つまり、致命傷になる1度のミスとリカバリー可能なミスの2種があるということか。だとするならば哀しく寂しい女と関係を持ち子供ができることは、その誕生に立ち会うため全てをうっちゃって車を走らせることはどちらか?いやそもそも、そういう二者択一的な世界観から逸脱する行為としてあるのでは。


ジョシュ・ブーン『ハッピーエンドが書けるまで』

まさに、青春映画の、家族ものの、「現代版」のclassicという趣き。
兎にも角にも、リリー・コリンズとジェニファー・コネリーの母娘最高っす。似方がいいし、ラストの母娘が抱き合うシーンでの、2人の黒い髪が重なるような画のよさもある。夜の電話、ベットでのシーンも、2人とも眼鏡をしているのもぐっときた。


ジョス・ウェドンアベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

冒頭の(擬似だけど)ワンカットでの各キャラ入れ替わり立ち替わりのバトルシークエンスでまず完全ぶち上がった。
一番笑ったのはトラックの荷台がそのままんま空を飛ぶシーン。見た目が間抜けな感じがした。隣に座ってた女性も爆笑してました。
あと、やっぱ街1つが…のシーンの法外なでたらめさにも呆気に取られて笑ってしまった。
あとソーの泉のくだりは何かカットされてるんだろうか?あの突然っぷり、セルヴィグなんなんだ感にも笑った。
ジェームズ・スペイダーまじでよかったな。声だけでなく動きも本人なんだろう、あの品のある感じ…。
しかしそれにしてもウルトロンの異常な反発心や憎悪はどこから来てるんだろう。まぁもともと杖自体がそういうものを増幅させる機能があったんだろうけど。全ての息子は父を憎み殺したい、ってことだけかな。
もはや社長、いや元社長は、ノイローゼおじさんとか化していた。ネクストで横にいた女性職員を口説きもしない。いくらペッパーがいるとはいえ、マリア・ヒルとの絡みもフューリーにまつわる嫌み?くらい。
たしかに前作同様一番大物の処理を任されるトニーさんなので、人一倍強大な敵に対する拒否感が強いのは致し方ないのかもなーと。下でちょこまか戦ってる他の面子とかかるは重圧やストレスが違うのだった。


アラン・テイラーターミネーター:新起動/ジェニシス

エミリア・クラークが80年代闘う美少女って感じでよかった。悪態つきまくって重火器操るのとかクールかと。時代感じる髪型(パーマっぽさとか前髪のたれ方など)もよい。
例えばMRIのシーンで、一度装置を止めて、もう一度作動させるシーンがある。すごい色々なレベルの不都合さをそのままにしてしまうこのような展開上の奇妙な間があるシーンが他にもあって、なんともいえない味わいになってる。そもそもT-800自体のアクションは、その「特性」ゆえに、すべて速さを欠いているので必然的に妙な店舗にならざるを得ないのだけれど。
ところで、ビョンホン氏はなぜ脱がなかったのか?転送されるシーンが無い時点でちょっと嫌な予感はしてた…。


三池崇史極道大戦争

見てないので勝手に言ってるけどラブ&ピースってこういう映画なのでは?また園監督が怒るのではないか。三池さんの節操の無さというか…リリー瀧コンビを即出してしまう感じとか…。
ロケーションとセットと構図と色彩は異様に決まってるので見てて飽きないんだよな…。ストーリー的には飽きてるけど。病院の窓から顔に包帯を巻いた女が見えるカット、こわすぎる。病室で窓に腰掛けてるときもいつ飛び降りるのかひやひやしたそれに、市原隼人のドアの締め方の優しさとか、演出面含め、病院のシーンが一番冴えてた。
手の甲と手の甲合わせるからレイドのやつやるのか…と思ったら全然違った。だまされた。
ヤヤン・ルヒアンのやられ方へただったな…。


ダニエル・エスピノーサチャイルド44 森に消えた子供たち

原作通り、なのかはわからないけど、ある幾つかのシーンを見れば、なぜノオミ・ラパスがキャスティングされたかわかりすぎるくらいわかるのだった…噛みちぎりや滑り降りての打撃…。
そして今までしっくり来たことなかったジョエル・キナマンがどんずばの役柄(狂気かつ冷徹)、一切躊躇なしに銃を「撃ちまくる」のにも痺れてしまった。
トムハとノオミが、ある告白を境に、夫婦ではなく共に捜査するバディとなるのおもしろい。
monsterという単語が当然だけど印象的に何度か登場してる。怪物=狂ってる、ということか。であれば誰が正常なのか。それの答えとしての最後のあっけない「処刑」があるのかと。
要するに事件そのものではなくてそれを(その真相を)泥の中に引きずり込んでしまう事象(国家、政治、ルール、感情、欲望)について、ということ。