ダークナイト』3回目。新宿ピカデリーで(すごいきれいなシネコンだった)。
回数見るたびに、納得いかないところを探してしまっている気がする、んだけど、実際はそうではなくて、前回見たときのことを補完するように認識したんだけど、やっぱりカーチェイス、だけでなく、格闘を含めた、アクションの、暴力を含む動き、のシーンはなんかちょっとやっぱり微妙で、変なとこで切れたりしている。ごまかし切れ、のような。ここでぶち切っても、つながってるように見えるからいいだろ、的な。最初の、スケアクロウの取引のとこにバットマンが乗り込むシーンで、逃げるスケアクロウの車にバットマンが飛びつくんだけど、そこが、なんだかおかしな切れ方をしていて、簡単に言ってしまえば、そこワンカットにしてほしいなぁ、というとこを切ってるんだけど、バットマンが手から刃物を出し、車体をがっと切るのが、手元のアップで表現されていて、そういうのはいらないと思った。通常の会話でなくて、緊迫した会話のシーンは結構ワンカットなのに。周りをぐるぐるまわるのは、ぎりぎりでいいと思った。
ハービーが、マローニの車のいつ乗り込んでんだ、と思ったんだけど、よく見たら、最初の方で、はじっこで部下が、捕まえられてた。
"laughter"と"Slaughter"。怖えぇ、言葉遊び。
ジョーカーの発言。
「逆転」。図式の逆転、価値の逆転。貧乏人の戦い。
「支配しようと思ってない」「混乱させたい」「混乱を導くのは恐怖」、というのはいいんだけど、その後のテレビ放送で、思いっきり「ゴッサムを支配しているのは俺だ」的なことを言ってる。なぜ。ジョーカーは恐怖と同義の存在になった、というのが好意的解釈、で、ただ単にジョーカーも支配したい陰謀家にすぎない、というのもある。というか狂人の理屈。
狂人の理屈といえば、バットマンブルース・ウェインの「ゴッサムの市民は良心を示した」という発言は、かなり狂っていて、それはブルースが、市民と囚人の決断を、自分の側に引き寄せて無理矢理解釈したにすぎなくて、実際の彼らは、まさに運としか言いようがない要素(乗っていた人間、というか装置を手にした・できた人間それぞれののパーソナリティ=性格が、たまたまその結果を導くものであったにすぎない、ということ)による決断、ともいうことができない選択、ですらないのかもしれない結果(しかもそれは、誰かが任意で引き寄せたものではない、のかもしれない)によって、起爆装置を押さ「れ」なかったのであって、良心なんかでは断じてないのは、バットマンとしてほかならぬ市民に追い詰められた(コピーキャットの出現、正体を明かす要求)ブルース自身がよくわかっているはずだがしかし、そうした、狂人の理屈(狂人的な説教くささともいえるだろう。ことジョーカーに対して、正義の存在然として振舞いつつ狂人とのはりあいを為すために必要なぎりぎりの態度としての説教くささ)がなければ、ジョーカーと渡り合うことはできない。
中盤のバットスーツ改良のくだりでの、フォックスの発言。「猫には強いです」…これは、次回作へとつながるのか?女性の敵。
視線。画面の人物がある方向を見、それからそちら(でなくともいいんだけど)の風景なりなんなりを映すと、その画面の人物が見た風景を見ている、ように思える。作中人物の視界を借りているのか(視線の主体としての人物なり何なり、にその視線を借りている存在、は観客と言っていいのか、それともカメラなのか、もしくはその誰でもない誰かか?気味が悪い。観客の視線はどこにあるのか)乗り移っているのか(こっちもかなり気味が悪い。誰が、誰に(誰の何に)乗り移っているのか。)…うーんわからない。って何を考えているのかがわからない。なんかそういう本ないかな。それとも自分で考えた方がいいのか。

図書館でけっこうCDを借りた。いいのがあるんだなぁ。知らなかった。ユーミンのカバー。椎名林檎の「翳りゆく部屋」は、ふーむ、という感じ。鬼束ちひろの「守ってあげたい」はおもしろい。クレイジーケンバンドの「COBALT HOUR」はいかがわしくていい。「湘南ボーイ」「横須賀ガール」だもんな、歌詞が。あと、オリジナルラブとかスティーリーダンとか借りた。

クビキリサイクル』。登場人物による、伊吹かなみ批判があった(「天才であって芸術家じゃない」みたいな)。まぁ、そりゃあそうだろうなぁ。こうやって、天才が覆されていくのかな。いーちゃんのによる、殺人現場の死体と絵の鑑賞、があって、こういう時、一人称の卑怯さとそれを選択していく誠実さを感じるんだけど、ようするに、死体は死体、絵は絵として、見られる、というのがあって、なんか、これらが混じった方が面白いんじゃないか、と思ってしまうんだけど、主体のいーちゃんがそう見なかったから、と言ってしまえばそれまでで、いーちゃんの感じ方を一元化しようとする誠実さと、それを言い訳にする卑怯さがあると思う。