ポール・フェイグ『デンジャラス・バディ』見た。

オープニングのスプリットスクリーン・音楽・タイトル・フォントがすべて完璧。
そして、リングもらった…からのマザーファッカー!!シャウト、で男どもを手榴弾で吹っ飛ばすサンドラ、最高すぎ。
クラブでの、いわゆる「女性としての魅力」を発揮するシーンが、それだけにならず、ダンスの動きや人物の描写(主役2人はもちろん、眼鏡のナンパ男や何度となく引きはがされる黒人女性)や編集(カット間を飛ばして繋げていてスピーティーに)で、「下に見る」(いい年の女が調子に乗っている…的な)ものではない笑いになっている。
ボストン市警察の上司の部屋での一連のシーン(「私のタマをさがしてるんだよ」)に象徴されるけれど、伝わらないハンドサインをしつこく使うアッシュバーンに対して、マリンズは、言葉は最小限(でなおかつ強いイメージを残す。「My favorite asshole」!)、動作やアイコンタクトで意志を伝え、相手と共有する。揚句猫まで連れてきてしまう!し、相棒に贈る言葉は卒業アルバムに書いてしまう(電話で話してるにも関わらず、weirdな空気を嫌がって早々に切ってしまう)。これって、登場人物の有能さを示す描写であるとともに、まさにそうした「蓄積」で作り上げられてしまうアメリカのコメディ映画のクオリティの高さの表現だと感じた。

バーで抱き合ってダンスしているのを見て、「Girl, you're every woman in the world to me」って、ぐっときてしまうな。