アダム・ウィンガード『ブレア・ウィッチ』


最近の新しい海外ホラーを全然追ってないので全然的外れかもしれないのですが、アダム・ウィンガード、絶対黒沢清見てますね。部屋の片隅に行き、隅を見つめて絶対に後ろを振り向くな、というルールがいきなり提示され、それをジェームズが得た経緯は明かされない、というのが、かなりJホラーっぽかったし。
表情などで薄々感じさせつつ、終盤の決断で明らかに狂ってるとわかるジェームズの自分造形のやり方が好きだ。
屋根裏の多数の隙間から強い光がフラッシュのように入ってくる画が、おそらく雷なのだろうけど、強烈なサーチライトのようで、まるでSFのように感じられた(地球に飛来するUFOから放たれているような…)。
それにしてもいきなり不意打ちのような南軍の旗(それを見て表情を曇らせるピーター)の登場の異質さはなんなんだ…前作にそんな要素あったっけ。それを掲げた家もあれがなんなのかよくわからないし、レーンとタリアの2人も結局謎だし…。
特定の場所を喪失した(方向や地形も無くなり迷うしかできない)森林という空間で、吹き飛ばされたテントや枝に引っかかるドローンなどが、あるスペクタクルが起こる場所の刻印として機能する。
それにしてもタリア役のValorie Curry(バロリー・カレー?)さん、紫のメッシュもnerdというgothっぽく、挙動不審な感じも可愛い…。