黒沢清『Seventh Code』見た。

どうやら早い段階で、最終日までのチケットは売り切れてしまったらしい(これを書いているのは17日)。自分は14日の昼に買いに行ったけど、その時点で席はかなり埋まっていた。でもまーここまで人気だったら、普通上映期間延長しそうなもんだけど、秋元さんはしなそう。
ラストのPV、歌っているシーンでの光の当て方がやばすぎて声出た。かっこええ…。
しかし、ここまで(とはいってもたかだか60分なんだけれど)長く、前田敦子を見続けてると、「なんでこの女の子を見てるんだろ…」と自問自答したくなった(『麦子さんと』で堀北真希を90分くらい見ていたときはほぼなかった感情)。カットによっては、…まぁ自重しますけれど。そしてそんな自分に嫌悪感。結局そーいうやつですか、と。
にしても、黒沢さんにとって、よっぽど『エージェント・マロリー』が響いたのかな。ああいう風にアクションを撮り、アクション映画を作ってしまってよいんだ、とある種(のソダーバーグの「雑さ」?に)勇気づけられたりしたんだろうか。わからない。
「そういう」設定だということを込みの、演技だったんだろうか。あの、ずた袋から出てきた時の、あからさまに目を見開いた表情とか。あー、でも、いきなりロシア語喋ったり、やけに手際よく住居侵入かますところとか、伏線といえばそうかも。
あっちゃんが鈴木亮平の腕に全身でしがみついて関節きめたシーンはテンションあがった。監督にとって、動ける女優、という扱いだったんだろうな。…いやもしかしてスタントかな…そうは見えなかったけれど…。しかもよりによってクッション当てての銃殺やらせるのとか、完全しびれたなぁ。無法地帯かよ。
あと、一本道をトラックが遠くへ走り去っていくシーンは、日本だと撮れない感じ(いや、北海道とかでは撮れんのかな?)。そしてダイナマイト爆発も(CGっぽかったけど)。運転手の見えない青い車の扱い方・登場のさせ方は『激突!』。にやりと笑うあっちゃん。山本浩司と山道を延々と走っていくシーンとかも(いや、北海道とかでは撮れんのかな?)。
唐突に、世界を変える力の存在を示唆する登場人物がいて、その人物は旅立ってしまう。ロシアを世界の端のようにとらえ、その向こうにはさらに道の世界がひろがっているイメージ(『回路』?)。
1か所、日本語字幕が劇的に間違っていたところあった(「侵入」…)ので(でもあれ字幕というてテロップっぽい感じでしたけれど)ので、ああこれだけ多くの人が関わって天下の前田敦子主演で黒沢清監督作品でもそういうこと起こりうるのだなぁ…としみじみした。